不動産相続登記で名義が不明な建物

Q.祖父にあたるものが死去し、不動産がいくつかあり、自宅の土地の上にある納屋の名義が遠方に住んでいる誰か分からない人物になっています。相続登記は、必要ですか?

相続登記の義務化に際して、今回の納屋についての心配や疑問にお答えします。

1. 名義が遠方に住む人になっている場合

まず、その納屋の名義が祖父の兄弟と思われる方の単独名義であり、あなた方の家族の共有名義ではない場合、現時点では直接的な相続登記義務が発生しているわけではありません。この場合、相続登記義務が適用されるのは、あくまで亡くなられた祖父の財産であり、その名義人が存命であれば、その名義人自身が相続や登記を行うことになります。

しかし、その名義人がすでに亡くなっている可能性がある場合、問題が複雑になります。名義人が亡くなっていた場合、その名義人の相続人(子供や孫など)に相続の問題が引き継がれることになります。その場合、その名義人の子供や孫に連絡を取る必要が生じる可能性があります。

2. 相続未登記による過料について

「相続未登記」による過料は、義務化された新しい法律に基づき、相続人が正当な理由なく相続登記を行わない場合に適用されるものです。しかし、あなたが相続する不動産に含まれていない財産に関しては、あなた自身がその相続登記を行う必要はないため、その納屋が遠方の方の名義である場合、あなたが過料の対象になることはありません。

ただし、相続登記の義務化に伴い、今後、納屋の所有者の相続人がこの問題に気付き、所有権の確認や登記を進める可能性も考えられます。

3. 時効取得について

ご指摘の通り、「時効取得」の可能性も考えられます。不動産の時効取得は、一定期間(所有の意思を持って20年以上)その土地や建物を占有し続け、かつ公然と占有を続けた場合に、その占有者が所有権を主張できる制度です。

この納屋が昭和15年から現在まで事実上あなたの家族が管理し、固定資産税も祖母が払っていたのであれば、時効取得の可能性は考えられます。ただし、時効取得を主張する場合、裁判所での確認が必要となりますし、名義変更のためには手続きが必要です。もしこの納屋が本当に「不要」であれば、時効取得を進めるかどうかは慎重に検討するべきでしょう。

4. 固定資産税について

固定資産税を祖母が支払っているという点についてですが、これは税務上の問題であり、所有権とは別の問題です。固定資産税は、税務署が実際の所有者とは別に、現実的な管理者や占有者に請求を行うことがあります。そのため、祖母が支払っているからといって、所有権が自動的に移転しているわけではありません。

5. まとめ

現時点では、その納屋に関しては相続登記の義務がないため、過料の心配は不要です。しかし、今後の名義人が亡くなっている場合、その相続人との関係が発生する可能性があることや、時効取得をどう考えるかについて、検討する必要があります。ストレスを感じる場合には、弁護士や司法書士に相談し、適切な手続きを取ることをお勧めします。

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