離婚で 自分名義の住宅ローンが残る家 はどうする?
売却・名義変更・住み続ける場合を整理
「離婚後は自分が家を出るのに、住宅ローンは自分名義のまま?」
「家には妻と子どもが住み続ける予定だけれど、このままで大丈夫?」
「家を売った方がいいのか、名義を変更した方がいいのか分からない」。
離婚すると夫婦関係は変わりますが、
不動産の所有権や金融機関との住宅ローン契約まで
自動的に変わるわけではありません。
TSUBASAエステート営業本部長・村上諒恭が、
住宅ローンが残る家について
不動産売買の立場から順番に整理します。
離婚したら住宅ローンはどうなる?
離婚に伴う自宅の問題を考えるとき、 最初に知っておきたいのが 「不動産名義」と「住宅ローン名義」は別だということです。
たとえば、 家の所有者が夫で、 住宅ローンも夫名義というケースがあります。
離婚後に妻と子どもがその家へ住み続けても、 住宅ローン契約が当然に妻へ移るわけではありません。
反対に、 夫婦共有名義の家だからといって、 住宅ローンの負担も必ず2分の1ずつとは限りません。
最初に確認するのは「家を誰がもらうか」ではなく4つの事実
話し合いを始める前に、 まず書類と数字を確認してください。
この4点が分かれば、 「売却できそうか」 「住み続ける方法を検討できそうか」 「オーバーローンなのか」 といった判断材料が揃ってきます。
自分は家を出るのに、住宅ローンだけ自分名義で残る?
これは離婚時に非常に重要な確認事項です。
住宅ローンの債務者が自分であれば、 離婚したことや自宅から転居したことだけを理由に 金融機関に対する返済義務がなくなるわけではありません。
夫婦間で 「今後の住宅ローン相当額は妻が負担する」 と話し合ったとしても、 金融機関との契約上の債務者まで 当然に変更されるわけではありません。
金融機関に対する債務者が自分のままであれば、 契約上の責任も残ります。
そのため、 家を出る側は 「誰が住むか」だけではなく、 「誰が金融機関に対して債務を負うのか」を 必ず確認してください。
妻と子どもが家に住み続ける場合、何を決めておく?
子どもの学校や生活環境などを理由に、 離婚後も妻と子どもが現在の家へ住み続ける形があります。
その方法自体を一律に否定することはできません。
ただし、 長期間続けるのであれば 将来まで含めて整理する必要があります。
「子どもが高校を卒業するまで」 など一定期間を想定する場合には、 その間の住宅維持費についても整理してください。
住宅ローンの名義を妻へ変更すれば解決する?
「家は妻が使うので、 住宅ローンも妻名義に変えればよい」 と考えることがあります。
しかし、 住宅ローンの債務者を 夫婦間だけで自由に変更することはできません。
債務引受、 借換え、 新規融資などを検討する場合には、 金融機関による審査が必要になります。
住宅金融支援機構も、 返済途中の住宅を他人へ譲渡する場合は 原則として融資金の全額返済が必要としつつ、 離婚等の事情では承諾を得て 債務を引き継げる場合があると案内しています。
ただし、 審査結果によって認められない場合、 一部繰上返済や新たな債務者追加を 求められる場合もあるとされています。
住宅ローンが残るなら家を売った方がよい?
離婚だからといって、 必ず家を売却する必要はありません。
ただし、 売却すれば住宅ローンや所有関係を 整理しやすくなるケースがあります。
| 選択肢 | 主に確認すること |
|---|---|
| 第三者へ売却 | 売却価格、ローン完済、 売却費用、手残り |
| 一方が取得 | 財産分与、所有権、 借換え・債務引受、金融機関審査 |
| 現在の所有関係を維持 | 返済者、居住者、維持費、 将来の売却、契約条件 |
| 一定期間後に売却 | それまでのローン返済、 維持費、売却時期、双方の協力 |
どの方法が適切かは、 不動産価格と住宅ローン残高によっても大きく変わります。
家を売るか決めていなくても「査定」は先にしておく
売却するか、 相手に家を残すかを判断するためには、 現在の不動産価値が必要です。
たとえば、 住宅ローン残高が3,500万円でも、 現在の家が4,500万円程度で売却できる可能性がある場合と、 3,000万円程度の場合では 選択肢が大きく変わります。
査定では、 購入したときの価格ではなく、 現在の市場、 周辺成約事例、 物件状態などを確認します。
査定価格は 必ずその金額で売却できることを保証する価格ではありませんが、 住宅ローンとの関係を整理する重要な材料になります。
家を売っても住宅ローンが残る「オーバーローン」なら?
現在の不動産価値より 住宅ローン残高の方が多い状態を オーバーローンと呼ぶことがあります。
- 住宅ローン返済額
- 売却に必要となる費用
= 売却後の資金
売却代金だけでは住宅ローンを完済できなくても、 不足額を自己資金等で補えるのであれば、 通常売却を検討できる場合があります。
一方、 不足額を用意できず、 今後の返済も難しい場合は、 借入先金融機関への相談が必要です。
状況によっては 任意売却を検討することもありますが、 任意売却には債権者等との調整が必要です。
売却代金で住宅ローンを完済できるなら何を確認する?
売却代金等で住宅ローンを完済し、 抵当権を抹消できる見込みであれば、 通常の仲介売却や直接買取を比較できます。
ただし、 売却価格がそのまま財産分与する金額になるわけではありません。
住宅ローン返済、 仲介手数料などの売却費用を差し引いて、 いくら残るのかを確認します。
- ローン残高
- 売却費用
= 手残りの目安
その後、 財産分与としてどのように整理するかは、 その他の財産や個別事情も含めて考える必要があります。
自分名義の家なら財産分与で全部自分のものになる?
不動産の登記名義と 財産分与の対象範囲は 同じ問題ではありません。
婚姻中に夫婦の協力によって形成された財産であれば、 一方の単独名義であっても 財産分与の対象となり得ます。
反対に、 婚姻前から所有していた家、 相続・贈与で取得した不動産、 婚姻前の自己資金、 親族からの住宅購入資金援助などがある場合には、 個別に確認する必要があります。
財産分与について当事者間でまとまらない場合は、 家庭裁判所の調停・審判が利用されることがあります。
2026年4月1日以降に離婚した場合、 家庭裁判所へ財産分与を申し立てられる期間は 離婚後5年です。
2026年3月31日以前に離婚した場合は、 従来の2年が基準となります。
家を財産分与で相手へ渡す場合、税金はどうなる?
家を第三者へ売却するのではなく、 財産分与として不動産そのものを 相手へ移す方法があります。
ここで注意したいのが税金です。
国税庁では、 土地・建物を財産分与として渡した場合、 分与した側について 分与時の時価を基準とした 譲渡所得課税が行われると案内しています。
つまり、 「離婚なので相手に家を渡すだけだから、 売却していないし税金は関係ない」 と決めつけないことが大切です。
共有名義の家なら、自分の判断だけで売れる?
夫婦共有名義の場合は、 不動産全体を通常売却するために 共有者双方の意思を揃えることが基本です。
自分の持分が2分の1あるからといって、 相手の持分まで含めて 家全体を一人で売却できるわけではありません。
自分の共有持分だけを処分することと、 家全体を売却することは別です。
相手が売却に反対している場合は、 まず反対理由を分けて考えます。
所有権や財産分与そのものに 法的な対立がある場合は、 弁護士等への確認が必要です。
ペアローンなら離婚後に一本へまとめられる?
ペアローンでは、 夫婦それぞれが住宅ローン契約を結んでいる場合があります。
離婚しただけで、 二つの住宅ローンが自動的に一本化されるわけではありません。
家を売却する場合
双方の住宅ローン残高を確認して、 売却代金等で完済できるかを確認します。
一方が家を取得する場合
一方の収入で借換えが可能か、 債務引受等が可能かを 金融機関へ確認します。
審査結果によっては、 希望どおり変更できないこともあります。
連帯債務・連帯保証も同様です
離婚協議で支払担当を決めても、 金融機関との契約上の責任が 自動的になくなるわけではありません。
家を売るなら離婚前と離婚後、どちらがいい?
これも一律には決められません。
離婚前に売却する場合
双方が売却に協力できるのであれば、 売却価格やローン完済額、 手残りを確認してから 財産関係を整理しやすくなる場合があります。
離婚後に売却する場合
離婚成立を先に進めて、 後から家を売却することもできます。
ただし、 離婚後も共有名義を残す場合などは、 将来の売却時にも元配偶者との協力が必要になる可能性があります。
離婚時の家は仲介と直接買取、どちらで売る?
売却することになった場合でも、 方法は一つではありません。
| 比較項目 | 仲介 | 直接買取 |
|---|---|---|
| 買主 | 一般購入者・法人等 | 不動産会社等 |
| 価格 | 市場へ販売し購入希望者との条件調整で決まる | 不動産会社が物件条件を確認して買取条件を提示 |
| 期間 | 購入者が決まるまで期間が必要な場合がある | 条件が合えば売却時期を具体化しやすい |
| 広告 | 一般公開して販売する場合がある | 一般公開せず進められる場合がある |
離婚だから直接買取、 価格を重視するから必ず仲介、 と一律に決めるのではなく、 売却期限や情報公開範囲も含めて比較してください。
離婚で住宅ローンが残っているなら、この順番で確認する
自分名義の住宅ローンが残っていても
売却を決める前から相談できます
まず現在の不動産価値と住宅ローン残高を確認し、
売却した場合・住み続ける場合の選択肢を整理します。
他社査定との比較も問題ありません。
離婚・住宅ローン・家の売却に関するFAQ
離婚すれば自分名義の住宅ローンはなくなりますか?
自分が家を出て妻が住み続けても住宅ローンは自分名義のままですか?
住宅ローンを妻名義へ変更できますか?
家の名義だけ妻へ変更すればよいですか?
自分名義の家なら財産分与の対象になりませんか?
家を売って住宅ローンを完済できるかどうやって確認しますか?
オーバーローンなら家は売れませんか?
オーバーローンなら必ず任意売却ですか?
ペアローンは離婚したら一本にできますか?
離婚前と離婚後ではどちらで家を売る方がよいですか?
財産分与で家を相手へ渡すと税金はかかりますか?
売るか決めていなくても査定できますか?
制度説明で確認した主な公的情報
・法務省「財産分与に関するルールの見直し」 ─ 2026年4月1日施行、財産分与請求期間の変更
・裁判所「家事事件Q&A」 ─ 財産分与、家庭裁判所への調停・審判
・住宅金融支援機構 「返済途中で住宅を他人に譲り渡すとき」 ─ 離婚等に伴う住宅譲渡・債務承継
・国税庁 「No.3114 離婚して土地建物などを渡したとき」 ─ 不動産を財産分与した場合の譲渡所得
本記事は一般的な不動産売買・制度情報を整理したものです。 財産分与の法的判断、 住宅ローン契約、 税務、 登記等については、 必要に応じて弁護士・金融機関・税理士・司法書士等へ ご確認ください。
現在の状況に近いテーマからご覧ください。

担当/村上 諒恭

役職:営業
資格:宅地建物取引士
大阪市を中心に、不動産売買・賃貸・買取・管理を担当している村上です。
お客様一人ひとりの状況に寄り添い、最適なご提案を心がけています。
スピード感のある対応と、丁寧なご説明で安心してお取引いただけるよう努めています。
地域の皆様に信頼されるパートナーとして、不動産に関するご相談を幅広く承っております。
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公開情報
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